もっとくわしく!コンタクトレンズ

ソフトコンタクトレンズの素材


目にゴミが入った時に激しい痛みを感じたりした経験は誰にでもあると思います。
コンタクトレンズは、直接目に乗せて使用するのになぜ痛みを感じないでしょうか?

その秘密は、レンズデザインと素材にあります。ソフトコンタクトレンズは、スポンジのように水分を含んで柔らかくなる親水性のプラスチックでできています。さらにとても薄く作られているので、目(角膜)の上に乗せると角膜形状に沿ってやさしくフィットし、角膜全体をおおうような状態になるため、痛みや異物感を感じにくくなっているのです。

そんな優れた特長を持つソフトコンタクトレンズですが、現在販売されている製品には、素材の特性によっていくつかの種類に分類することが出来ます。このページでは、その素材の違いについて解説します。

「高含水」と「低含水」 - 含水率 と酸素透過性の関係


ソフトコンタクトレンズ 酸素透過性イメージ ソフトコンタクトレンズが水分を含む割合を「含水率」といい、その割合が高いものを「高含水レンズ」、低めのものを「低含水レンズ」といいます。

この素材の含水率は、酸素の通りやすさ(酸素透過性)と深い関係があります。素材自体の特性としては、含水率が高いほど酸素透過性は高くなりますが、これはあくまで素材単体で比較した場合のことで、実際のコンタクトレンズの酸素透過性は、含水率の他にもレンズの厚みが大きく関係しています。例えば同じ素材で比較した場合、レンズの厚さが半分になれば酸素透過性は2倍になるとされています。

含水率が異なる素材で同等の強度をもつレンズを作る場合、高含水レンズはレンズが厚くなり、低含水レンズはレンズを薄くすることができます。つまり、上記のようにレンズは薄い方が酸素透過性が高くなるため、含水率の数値だけでレンズの良し悪しを判断することはできないのです。

注目の新素材「シリコーンハイドロゲル」


ソフトコンタクトレンズ 酸素透過性イメージ 新しいソフトコンタクトレンズの素材として注目されているのが、「シリコーンハイドロゲル」と呼ばれる新素材です。
酸素透過性に優れたシリコーンと親水性高分子の2つの素材を融合させることによって、従来の素材と比べて数倍の酸素透過性を実現し、レンズの装用中も目(角膜)に裸眼の時と同等の酸素を供給することができます。

「イオン性」と「非イオン性」


ソフトコンタクトレンズには電気的な性質の違いによって「イオン性」と「非イオン性」の二つに分類することができます。

イオン性のレンズ
非イオン性のレンズ
イオン性のレンズ

非イオン性のレンズ

「イオン性レンズ」はマイナスイオンを帯びているので、プラスイオンを帯びたタンパク質汚れを引き寄せやすくなっています。 「非イオン性レンズ」は「イオン性レンズ」と比べて、プラスイオンを帯びたタンパク質を引き寄せないため汚れにくいという特長があります。

ソフトコンタクトレンズ素材のグループ分類 (グループI〜IV)


素材グループ イオン特性 含水率
グループI 非イオン性 低含水
グループII 非イオン性 高含水
グループIII イオン性 低含水
グループIV イオン性 高含水
このページで説明している含水率の違いと、イオン特性の違い、それぞれの性質の組み合わせによって、ソフトコンタクトレンズは左の表にあるようにI〜IVの4つのグループに分類されています。
ケア用品の適合性を確認する時などにもこの分類が使われており、市販されているレンズケア用品のパッケージにも使用できるレンズの素材グループが表示されています。

このグループ分けの方式は、元々アメリカのFDA(米国食品医薬品局)で採用されていたもので、1999年4月より日本にも導入されました。


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